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日本最東端の旅(後編)−ホッカイシマエビ−

 朝、6時過ぎに出発、海岸線をぐるりと回り込み北上します。風蓮湖(ふうれんこ)周辺の不思議な景観を眺めながらですが、先を“超”急ぐので、写真を撮っている余裕がありません。休憩はコンビニに1回ピットインしただけ。サンドイッチを買い、運転しながらの朝食です。

 8時、別海町(べつかいちょう)尾岱沼(おだいとう)に到着。ギリ、間に合いました。8時10分発、別海町観光船による野付半島(のつけはんとう)観光のクルーズ船に乗ります。野付半島は、海流により運ばれた砂の堆積によって出来た細長い半島で、内側の野付湾はエビや貝などの漁場となっている。三保の松原(静岡県)や天橋立(京都府)的な・・・どちらも見た事はない・・・感じだが、野付半島は全長28キロにわたる巨大な物で、舗装道路が通り住宅もある。

 湾内は浅い部分が多く、名産のホッカイシマエビ(ホッカイエビ(北海海老))を採る時は、帆掛け船を使った打瀬網漁(うたせあみりょう)が現在でも行われている。漁が解禁される時期は風物詩となっているが、残念な事に今年の漁は既に終了、その姿を見る事は出来ません。

 観光客を乗せるには早すぎない?って時間ですが、我々の他に2組を乗せて出航。湖の様に穏やかな湾内を進みます。湾内にはアマモが群生していて、浅いところではアマモの葉っぱが水面に達しそこだけ盛り上がっているようにも見えます。船内に流れていた観光案内の音声が急に途切れたと思うと船も減速。「アザラシが居ます」って声に誘われ甲板へ。ああ、なんか頭が出たり引っ込んだりしている。ゴマフアザラシ、いわゆるゴマちゃんです。

 野付半島とゴマフアザラシ。

 予習不足で、この観光船で海洋生物に出会えるとは思っていなかった為、望遠レンズを置いてきてしまいました。聞くところによると、ここいら辺りに一年中居るそうで、観光船の目玉だそうです。そう言えば船のマークもアザラシだった・・・。

 30分かけて、対岸の野付半島にある景勝地「トドワラ」に到着です。浮き桟橋を渡り、「野付半島に、イン」したかと思ったらその先にもう一つ橋があり、ここはまだ島でした。標高数十センチの三日月型の島はアマモに覆われていて道はありません。枯れたアマモを踏みつけると、ふわふわと気持ちが良い & むちゃくちゃ歩きにくい。散策時間は50分しかないので先を急ぎます。橋を渡り、やっと野付半島に上陸です。

 「トドワラ」は、立ち枯れたトドマツの残骸が湿原に残る場所で、白化したトドマツが特異な風景を作り出している。陸伝いにネイチャーセンターから来る事も出来るが、30分程度歩く必要がある為、今回利用した観光船で来るのが便利です。木道を歩き、到着。思ったより(資料写真を見るより)トドマツが少ないのは、風化が進んでいる為か。それでもじゅうぶん期待に応える景観です。

 このトドワラの風景は、しばしば環境破壊の象徴的な物として使われるが、“環境破壊”と言うよりも“環境変化”と言いたい。そもそも何もなかった海に砂が溜まり陸地ができ、湿原ができ、森ができ、それがまた湿地に戻ろうとしている。移り変わっていくのも、また自然。エコロジーな暮らしを意識する事は大切ですが、自然に逆らわず、見守る事も大事です。

 足早に観光し、来た時と同じ船で尾岱沼に戻ります。約2時間の小クルーズでした。今度は陸伝いに野付半島を目指します。まずは隣町の標津町(しべつちょう)に入り、旋回して野付半島に入ります。なんと、野付半島は2つの町にまたがっているんですね。分岐から野付半島ネイチャーセンターまでは15キロ。電柱の上にオジロワシがとまっていたり、野付湾は野鳥の宝庫でもある。

 ネイチャーセンターに到着。ここは国後島(くなしりとう)に一番近い場所でもあり、島までは17キロ。野付水道の可航幅は数キロしかないらしい。売店で、未だにテトラパック牛乳を作っている事で話題のべつかい乳業興社べつかいの牛乳屋さん」牛乳を使ったソフトクリームをいただきます。併設されている「トドワラ食堂」のメニューを眺めていると、「北海シマエビおどり」の文字が。え、躍り食いできるの?、猟期は終わっているはずだが、生け簀で飼っているのか。これはいただくしかないでしょう。

 ソフトクリームを食べながら待っていると、はい、来ました。皿の上でピチピチと跳ねています。5匹で千円。回転寿司に換算すると1皿400円の高級ネタです。生きたまま殻をむき・・・生きているのか反射運動なのか、頭を外しても動いています(泣)。隣に外国人が居たら撃ち殺されそうな残虐行為です。究極の新鮮ネタは弾力があり、極めて美味でした。

 さて、北方領土を臨む最果ての地から帰宅の途につきます。早くしないと今日中に帰られなくなります。しかし既にお昼御飯の時間。中標津町(なかしべつちょう)でランチタイム。中標津ミルキーカレーを探します。中標津唯一の産業と言って良い、酪農から生み出され余った牛乳をふんだんに使用したカレーで、コップ一杯の牛乳も無理矢理セットで付いてきます。町内数十店舗で出されているらしいが、ネットで美味いとコメントのあった「ラ・キンコ」へ。

 なんか団体客が居るみたいで混んでます。席に着き、Q「白いカレーは?」A「やってません・・・」。終了です。ネット情報を鵜呑みにしてはいけません。仕方が無いので甘口辛口2色のハーフカレーをいただきます。あと、和風エスカロップ。これじゃあただの喫茶店ランチです。人気店なのか、この町唯一の喫茶店なのか、次々と客が来ます。

 入店時に「40分くらいかかりますが・・・」と言われてましたが、20分程度で出てきました。皿の両側に2色のカレー。良い香りがします。味も良いです。大量生産業務用の味ではなく、ちゃんと作っています。白くないけど、これはこれで当たりでした。和風エスカロップ・・・そもそもエスカロップがなんなのかよく知りません。根室市のご当地料理で、バターライスにトンカツが乗った物らしい。この店では何種類かの揚げ物に、和風と言うだけあって大根おろしが添えられている。エスカロップと名乗って良いのかどうかは、謎です。うまいこと“和風”でまとまっていて、さっぱりといただけました。

 今度こそ帰宅の途につきます・・・が、深夜に帰ってすぐに寝られる様に温泉に入っておきましょう。中標津町にある、養老牛温泉(ようろううしおんせん)へ。防風林に区切られた牧場が広がるだけの風景に温泉なんぞ湧いているのかと思うが、少し山に入った渓谷沿いに数軒の温泉旅館がある。

 「湯宿だいいち」。媚びない(スポンサーにも、読者にも)北海道ガイド本を生み出す舘浦あざらし著「温泉番長ほっかいどう book 2 番長級」で紹介されていたので、ひなびた温泉宿かと思いきや、結構賑わっています。建物もログハウス風でおしゃれ。

 受付から廊下を渡り浴場へ。休憩スペースは少なそうです。浴室へ、洗い場の数は7つしかない。ちゃんと仕切られていて使い勝手は良いが、宿の規模からしたら少ない感じ。いざ、風呂へ。屋内、露天と多種多様な品揃えで、何処も高温の源泉が掛け流されている。無色透明で、癖はない。

 露天風呂は川面へ向かって段々になっていて、一番低い浴槽はほぼ水面と同じ位置。増水したら水没しそう。流れる音が心地よい。おまけに上の浴槽がせり出した位置にあり、日除けになっているので眩しくもない。一番広い露天浴槽は混浴という事になっているが、全裸で渡ってこないといけないので女性には敷居が高いでしょう。浴槽の中に仕切りを設け、浸かったまま移動できる様になっていればもう少し女性も来やすいだろうに。寝湯で少しうとうとし、リフレッシュ、充電完了。

 さて、今度こそ、本当に帰宅です。雄阿寒岳、雌阿寒岳を過ぎ、オランダせんべいの「耳」をお供に道東自動車道をひた走ります。連日遅寝早起きの強行軍でしたが、充実した旅でした。

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