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襟裳岬

 「えりぃものぅ、春わあ〜んああ、
  なにも、ない、は〜るですう」

 5月の宗谷岬(そうやみさき)に続き、襟裳岬(えりもみさき)を目指します。マルミスト佐々木丸美ファン)としては、北海道に住んでいるうちに、行っとかないとね。しかし日帰りだとけっこう遠いので、夏休み最後の土曜日、早起きして出掛けました。

写真) 苫小牧市(とまこまいし)、ウトナイ湖。1981年、日本初のバードサンクチュアリに指定。白鳥が羽を休めています。

 6時過ぎ、朝食抜きで出発。高速を使わずつらつら走ると丁度苫小牧市あたりで朝食の時間となります。「マルトマ食堂」へ。言わずと知れた超有名店、2度目の訪問です。この時間(8時過ぎ)でも観光客で列ができている。30分程で着席。今日は不漁なのか、漁が休みなのか、肝心のホッキ類(ホッキ飯、ホッキ焼き・・・)に品切れが多い。残り数品の中から、ホッキ丼、ホッキチャーハンを注文。

 ホッキ丼は、まあ期待を裏切らない美味しさだが、ご飯の比率が高く「ホッキを食べたぜ」満足感は低い。800円なので文句は無いが、1,200円くらいで特盛丼があっても良いかも。チャーハンは、チャーハンとしての完成度は低い。ホッキがみずみずしいので全体がべっとりしている。ホッキは別乗せの方が良いかも。しかしここに来るとせっかくなのでホッキを注文してしまうが、カウンターに並べてある煮付けやサラダが普通に美味しそう。

 さて、南下を続けます。JR日高本線を右に左に見ながら、切り立つ海岸段丘に開けたわずかな平地を進んで行く。ちょっとした空き地にはバーコードの様に綺麗に並べて昆布が干されている。全国的に名高い「日高昆布三石昆布)」です。様似町(さまにちょう)で、ちょうどお昼ご飯の時間。「このまま襟裳までぶっちぎるぜ」と思ったが、セラーズSellersと言う聞き慣れないコンビニに「潮風弁当」というのぼりを見つけ、急ブレーキ。立ち寄ります。

 コンビニのはずが、奥では生け簀で魚や貝が売られている。お薦めらしい「潮風弁当」、そして、ショーケースのかなり広い部分を占めていたのが「タコマンマのかまぼこ」。物は試しに買ってみましょう。レジに持って行くと「タコマンマ温めますか?」とおにぎりバリに聞いてくる。お願いすると、レンジで温めた後に、ご丁寧に包丁で縦横に切り込みを入れ、爪楊枝を付けてくれる。

 せっかくなので、温かいうちにいただきましょう。親子岩ふれ愛ビーチキャンプ場へ。様似町の観光名所、親子岩が臨めるお誂え向きの場所にテーブルとベンチがあり、そちらでいただきます。「潮風弁当」は、様似産のツブ貝が入った炊き込みご飯。ツブ貝は、北海道では広く出回っている貝で、サザエに似た感じ。そこに、北海道らしく紅ショウガが添えられている。たっぷりのツブ貝が歯ごたえと甘みがあり美味い。

 「タコマンマのかまぼこ」。“タコマンマ”は、ヤナギダコの卵。それをすりつぶして秘伝のタレを加えて蒸した物らしい。水菜とニンジンが彩りを添える。口に含むとだし汁がじゅわりと染み出す。恐らく日高産昆布をふんだんに使っていると思われる上品な味、贅沢な一品。料亭で出されてもおかしくない完成度です。

 1時過ぎ、襟裳岬到着。襟裳と言えば、風の岬。アメダスの記録による平均風速が日本で最も高い地点らしい。一年中強風が吹き荒れている。しかし、車を降りると、まさかの風速ゼロ。何処のどなたが経営しているのかよくわからない「風の館(かぜのやかた)」という観光施設に取り付けられた風速計が、微動だにしていません。

 展望台に立つと、沖合に向かって岩礁が続く地形が美しい。日高山脈がそのまま海に落ち込んだような感じ。展望台から先は、岬の突端に向けて小道があり、小さな祠(ほこら)まで続く。干された昆布から良い香りが漂っている。なんか、来ちゃったなあ、という感慨深い気持ちになる。最北端でも、最東端でもないこの地は、観光地としては幾分価値が低い。森進一に「何もない」と歌われるほどだ。しかし、終着点と呼ぶに相応しい地形、人間の営みを感じさせる作業小屋の風景や匂いと相まって、心に染みてくる物がある。

 岬を回り、十勝方面に入ります。旅の締めくくり、襟裳岬巡りの終着点、百人浜(ひゃくにんはま)へ。佐々木丸美ファンとしては、やはり訪れないわけにはいきません。ナビの表示では、既に右側一体の海岸線が浜のはずだが、なかなか下りる道が無い。やっとみつけたキャンプ場脇の駐車場に車を停め、海岸に向かって歩きます。かつて無計画な森林伐採により荒れ果てて、砂漠と呼ばれた地だが、苦労の末の緑化事業がなんとか実を結び、歩道周辺にもクロマツが育ってきている。小さな山を越え、はい、砂浜に到着です。

 右も左も、見渡すかぎりに続く砂浜。訪れる者は無く、動く物の姿もない。江戸時代、沖合で遭難し、なんとか浜まで流れ着いた百人あまりの人々が、助ける者の無い浜で凍死したという伝説がある。佐々木丸美の小説でも、伝説になぞらえ、百人浜がこの世とあの世の境界のよう語られる。そんな、悲しい地だが、今日は優しい風で包んでくれた。浜風が心地良い。

写真) フンベの滝。滝に打たれるジムニー君。。

 「傷に効くヨウ素臭い温泉と、お肌すべすべアルカリ温泉、どっちがいい?」「お肌すべすべ」。まあ、普通はそう答えるな。海岸沿いに暫く走った広尾郡(ひろおぐん)大樹町(たいきちょう)にある晩成温泉(ばんせいおんせん)では高濃度のヨウ素イオンを含む鉱泉があり、日帰り入浴を楽しめます。機会があれば、どうぞ。

 しかたがないので、中川郡(なかがわぐん)幕別町(まくべつちょう)、「ナウマン温泉ホテル アルコ236」へ。「道の駅 忠類(ちゅうるい)」、(オート)キャンプ場、「忠類ナウマン象記念館」が一緒になった複合施設です。まあこちらの方が帰り道沿いなので便利です。

 まずは閉館間際の「ナウマン象記念館」へ。この地でナウマン象の全身骨格化石が発掘された事を記念して立てられた資料館で、ナウマン象の骨格標本(レプリカ)が飾られています。すごいけど、想像していた物よりも小さい。実は、ナウマン象とか、マンモスは、現在のアフリカ象よりも小さかった様だ。「はじめ人間ギャートルズ」の印象だとアフリカ象の倍はある巨体を想像していたのだが。

 さて、温泉に入ります。pH9.5と強めのアルカリ性、単純温泉。キャンプ場からの客が多いのか、けっこう混雑していました。洗い場に空きが出るまでしばし待つ。源泉と書かれたカランがあるが、なぜか蛇口が取り外されていて使用不可。

 お湯は無色透明。思ったほどすべすべ感は無いが、床が滑りやすいところを見ると、やはりアルカリ性の効果があると思われる。ゆっくりと長居ができる気持ちの良い温泉だ。ただ、内湯は小さめ、露天はさらに小さい。だんだんと客が少なくなってきたので良かったが、タイミングが悪いと混雑する事もありそうだ。あと、脱衣場の床がカーペットなのは如何な物でしょう。乾きにくいし、雑菌の温床になっていそうで、少し不安。

 夕暮れの雰囲気が漂い始める。そろそろ晩飯の心配を始めないと。幕別町で検索してもこれぞという店にヒットしない。おとなり河西郡(かさいぐん)中札内村(なかさつないむら)は?、「中札内農村休暇村フェーリエンドルフ カフェ&レストラン ミュンヒ・ハウゼン」。なんか長ったらしい名前だなあ、ドイツ料理かあ?、行ってみるか。

 幹線道路からはずれて暫く走ると、別荘地の様な一角が。ありました、おしゃれな建物が。高級そうだなあ、でも他に店も無さそうだし、まっいいか。近付いてみると「営業時間 〜14時」。え、昼だけ、でも中で食事している人、居るよね、どういう事?。呆然と立っていると、ウェイターさんが出てきて、「すいません、この時間は宿泊客のみの営業です・・・」「・・・」「・・・」「・・・」「・・・えーーと、こちらでよろしければご用意できますが」。見ると「とりごぼう釜飯」のセットが。はい、それでよろしいです。お願いします。

 中に入ると、数組の家族がフルコースとおぼしき豪華な食事をしている。ピアノの生演奏が流れる。何とも贅沢な空間。たまたま客が少なかったのか、ランチ用の食材が余っていたのか、入れていただいてラッキーです。

 「とりごぼう釜飯」は、関東で言うところの横川・おぎのや「峠の釜飯」の様に、陶器の窯に入れられた持ち帰り弁当で、ここが製造元らしい。味噌汁と副菜を付けてランチとして提供している。ピアノの音色に、「ちーーん」似つかわしくないレンジの音が混じる。どうやらできた様だ。

 鶏、ごぼう、枝豆、どれもしっかりとした食感で、素材の良さを感じさせます。“とりごぼう”釜飯なので、鶏とごぼうが美味いのは納得ですが、ふっくらとした枝豆のコリコリ感がすごく良かったです。贅沢な空間で、地元食材をふんだんに使った一品。これで980円(単品、お持ち帰りだと880円)は、すごく得した感じです。苫小牧=ホッキ、様似=ツブ貝・タコマンマ、中札内=地鶏。さすが食の王国、北海道、一日満喫です。


コメント
突然の書き込み失礼致します。実は次回の企画ライブで佐々木丸美作品の朗読を予定しております。お時間がございましたら是非お越しください。

【コラボ企画第二弾まえのまりこと白木ゆう子の《シャンソンと朗読で綴る》ピアノライブin荻窪】

【日時】2020年2月16日(日)14時〜16時

【会場】都内荻窪『かふぇ&ほーるwith遊』ホール(荻窪駅徒歩10分)

ゲスト…シャンソン歌手【白木ゆう子】

【白木ゆう子プロフィール】
武蔵野音楽大学声楽科卒業
豪華客船《飛鳥》《ばしふぃっくびいなす》等の世界一周航海や世界各地のクルーズで歌う
長野冬季五輪開催中、白馬東急ホテルにて、国内外の皇室、政財界の名士の前で歌う
奈良薬師寺や、中宮寺観月会、奈良の春日大社にて奉納コンサートを行う
ホテルニューグランド横浜、ザ・プランターズディナーショーにて歌う
愛知万博パリ祭で歌う
サントリーホールにて、シャルル・デュモン氏と歌う
NHKホールのパリ祭にて、連続で歌う
国際フォーラムでの、ブリスリーズで第一回目より歌う
自ら作詞作曲したオリジナル曲『巡り逢い』CDを日本クラウンより発売
『大人の愛に乾杯を』『今度こそ幸せに〜熟年婚賛歌〜』を徳間ジャパンより発売、DAM、UGA、JOYSOUNDをはじめ、有線放送にも配信
YouTubeトップ画面にて“sirakitube”と検索

内容…シャンソン、朗読…佐々木丸美著『崖の館』『雪の断章』他(仮内容)

【入場料】2500円(予定)ドリンク付き 原則予約制、ご予約はブログの『お問い合わせ』よりお願い致します。
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