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最北への旅、宗谷岬

 朝風呂。利尻富士は見えず。代わりに凄い物を見ました。天を駆ける白い竜。もの凄い数の白鳥が一列になり北を目指して飛んでいきます。ゆっくりと蛇行する姿は全体が一つの生物の様で、まさに竜です。遠ざかっていく姿に見とれていたら、いきなり頭上にけたたましい鳴き声が。20羽ほどの、V字飛行の編隊がジェット機の様に通過していく。昨日天文台で聞いた話だと、夜間飛行する渡り鳥たちは、ハクチョウ座を目指して飛んでいくそうです。出来すぎた話ですが、ロマンチックですね。

 宗谷岬を目指して、北上です。道路脇、ちょっとした湿地に水芭蕉の花が点々と咲いている。東京近郊だと、わざわざ尾瀬に出向いて拝む物ですが、北海道では雑草感覚の様です。天塩郡(てしおぐん)遠別町(えんべつちょう)で、ちょっと寄り道。北海道に数ある日本最北の一つ、日本最北の田んぼを探します。あらかじめ調べておいた緯度経度をナビにセットしそれらしい場所に来るが、よくわからず。農家のおじさんに尋ねると「ああ、それなら向こうの白い家、門間さんとこ。今年は雪が多くてねえ、田植えも遅れるかあ思っとたけど、ここんとこ、急に雪が溶けて、例年どおり、27・8には出来そうな感じ。うちの田んぼも門間さんにやってもろうとって・・・」。話が止まりません。

 案内されたとおりに進むと、有りました、「日本最北の米どころ」です。暖かい地方なら、ゴールデンウィークは田植え休暇になるところですが、こちらはやっと雪が溶けたばかり。田んぼと言っても、稲の片鱗も有りません。写真で手にしているのは、「ハヤシ屋野村菓子舗」で買った「たわら最中(モナカ)」。遠別で採れた、そう、日本最北の米から作った餅が中に入っているモナカです。

 稚内まではなるべく日本海側を走行。天塩郡(てしおぐん)幌延町(ほろのべちょう)で、北緯45度線(俗に言う「北極点と赤道の中間地点」)を通過です。途中の見所としては、28基の巨大風車が一直線に並ぶオトンルイ風力発電所。何もないサロベツ原野が続くだけの風景に、白く輝く現代の風車がアクセントを与えます。単調になりがちな運転の気分転換になるので、これってけっこう、交通安全にも寄与してるかも。海上には雪を被った利尻富士が浮かんでいます。富士と言うには、少し荒くれている山容ですが。

 お昼前、稚内駅に到着。言わずと知れた、日本最北の駅です。実は今日、稚内駅ビルに、日本最北の道の駅「わっかない」がオープンしました。鉄道駅に、道の駅?、選定基準がよくわかりません。まあ、ともかく行ってみましょう。道の駅のおかげで駐車場は無料です。

 ガラスを多用した近代的な建物。映画館と観光案内所も併設。ホームに入ってくる汽車と、「最北端の線路」の看板も窓越しに見えますが、丁度看板の真ん中に柱が来る配慮の足りない設計。賑わっている(ように見える)道の駅は、学校の教室程度の広さ。稚内の特産品が並んでいるかと期待していたが、札幌でも買える大量生産のスナック菓子や土産物ばかり。これではただの大きなキヨスクだな。なんだかがっかりです。

 食事すをる所も無いので(いや有ったけど無かった事にしました)道の駅をあとにし、近くのレストランで食事を済ませ、いよいよ日本最北端、宗谷岬です。左手に海を見ながら海岸沿いに北上していると、視界右手の端に何か併走している物体を感じる。ん、と思い右を見ると、巨大なジェット機が。あっという間に追い越され、飛び去って行きました。稚内空港って、こんな際(きわ)に有るんですね。

 さらに走る事30分、到着です。岬と言うと、鋭角に尖った断崖をイメージするが、道路がカーブした横に駐車場が有り、そこが岬と言う事になっている。なんだか感動が薄い。しかも、明らかに埋め立てられた様な海岸線で、恐らく駐車場を作った事で、(普通の日本人が行く事の出来る)日本最北端の地は北に延長されたと推測される。ちなみに(北方領土を除く)本当の最北端は、沖合の岩礁(弁天島)だそうです。

 「日本最北端の地」の碑で写真を撮っていると、団体客の添乗員に・・・「1、2分待って下さい」・・・どかされてしまった。お前らの集合写真より先に撮らないと、このあたりが大混雑になるだろうが、お前が待てよ。

 寒いので、退散です。日本海オロロンラインは制覇出来たので、内陸部を通り南下します。ゆっくりとした起伏の牧草地が広がります。天塩郡(てしおぐん)豊富町(とよとみちょう)。セイコーマートの牛乳でお馴染みの町です。豊富町が運営する大規模草地牧場(おおきぼそうちぼくじょう)のレストハウスでは、100円で牛乳が飲み放題!!イエーイ・・・の、はずが、閉鎖されています。今時分、牛も居ないみたいで、ただただ、緑の丘が広がるばかり。静かだなあ。

 仕方がないので、豊富温泉へ。日本最北の温泉郷・・・今は稚内にも温泉が有るので日本最北の“温泉”では無いが、“温泉郷”と言う言葉が相応しいのはこちらでしょう・・・として有名で、古い旅館が幾つかと、町営の日帰り入浴設備がある。さらに豊富温泉を有名にしているのがその泉質。なんと、石油臭い、温泉なのです。

 幾つかある旅館の中で、「川島旅館」へ。昭和2年開業の老舗です。本当はここに宿泊したかったのですが、予約が取れませんでした。建物はかなりくたびれた感を漂わせていますが、がんばって手入れをして品良く保たれている感じは受けます。いざ、温泉へ。

 はいはい、これが石油臭ですか。なるほど。なんて言うか、刷り立ての新聞紙と言いましょうか、マジックインキと言いましょうか、確かに臭いです。水面に薄く広がる油が不思議な光沢を放っています。元々はタイル張りか何かだと思われる浴槽が、温泉成分が凝固した物に覆われ、湯船の端に座ると背中に当たり座りにくい。なかなかマニア心をくすぐる、素晴らしい温泉でした。

 ちなみに「そんな臭い風呂に入れるかい!!」と入浴を断固拒否した妻は車で待っています。ご機嫌取りに、川島旅館名物、「川島旅館の湯あがり温泉プリン」(さっぱりとノーマル、各1個)を購入。晩飯後にいただきましたが、ミルクとろとろでした。確かに湯上がりに丁度良いかも。プリンと言えるかどうかは審議が必要ですが。

 今日の宿は、幌延町の、「民宿旅館サロベツサロベツ会館)」。工事関係者とか、出張者とかを主な顧客とする駅前旅館です。ゴールデンウィークで他のホテルが満室にもかかわらず、ここは4組だけの宿泊の様です。幌延駅の目の前に立地していて、案内された2階の部屋からはホームに停車する特急列車を手に取る様に眺める事が出来る。

 食事は昨日と比べても遜色のない品揃えで、何より一品一品の味付けが良く、美味しくいただきました。男性用の風呂は・・・石油臭いまま寝るのも・・・2メートル四方くらいの湯船に小さな機械式循環。混雑すると厳しいかも。女性用の風呂は入りたい時に自分でお湯を溜める方式。仕事での利用と割り切ればまったく問題有りませんが、旅行となると、価値観により判断が分かれる感じの宿です。個人的には駅の眺めが気に入りましたし、費用対効果で言っても申し分のない宿でした。

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