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当別

 石狩郡(いしかりぐん)当別町(とうべつちょう)。昨日の白老(しらおい)に続いて、北海道マイナー市町村訪問となりました。

 マルミスト佐々木丸美(ささきまるみ)(作家、故人)を崇拝する人の呼称)以外にはぴんと来ないと思われるが、札幌市のすぐ北に位置し、札幌駅を起点とするJR路線も通っている意外と便利になりそうな地域。でものどかな田園風景に占められているのは、雪が多すぎる為だろう。札幌市内の道路はほぼ雪が無くなったが、当別町内はちょっとした横道にはまだまだ残っている。

 石狩川を越え、のどかな風景にまず見えてくるのは、北海道土産を代表するお菓子メーカー、「ロイズROYCE’」の工場だ。工場の周囲に広がるのは畑なのか田んぼなのか、雪に覆われてわからないが、注意を引く物は何も無い。工場と言っても、現在工場見学は行っていないので、ガラス張りの建物を見上げて終わり。一応直営の売店があり、工場限定の商品も幾つかあるみたいだが、まあ、それだけです。タダでコーヒーがいただけるコーナーがあるので、お菓子やアイスクリームを買ってちょっと休憩はできるが、、、、、、まあ、それだけです。わざわざ立ち寄るほどの物ではないかも。


 さて、当別観光、次なる場所は・・・終わっちまいました。当別町のホームページを見ても、プロレタリア文学作家「本庄陸男(ほんじょうむつお)」の記念碑があるくらいです(<−誰だ??不勉強で御免なさい)。・・・・・・・・・・・・・・・・・北海道観光、困った時の定番、温泉へ行きましょうか。ロイズ工場からさらに 田舎 北西方向へ10数キロ、JR石狩金沢駅の近く「開拓 ふくろふ乃湯」へ。2年前に開業したばかりの温泉だが、石狩地方の多くの温泉が循環式の中、ここは源泉100%かけ流しとなっている。雪でぬかるむ砂利道を進み、到着。

 小さな玄関を入ると受付があり、すぐ目の前が男女別の入り口。実にこぢんまりとしている。浴槽も、頑張って体育座りをしても10人がいっぱいいっぱい。冬季以外は露天風呂があるが、今は雪に埋もれて閉鎖中。お湯は泥炭層に多いコーラ色、ナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉(舐めてみるの忘れた、しょっぱいのかな)。湯量は豊富とは言えないが、あえて源泉かけ流しにこだわった点を評価しましょう。源泉の温度が低い冷鉱泉なので、入浴できるまで加温するには燃料代がかかる。そのため循環式にした方がコスト的には有利のはずだが、それでは近隣の温泉と差別化できない。

 昨日ほどではないが、湯上がり後のぽかぽか感が心地よく続く。まあ、昨日はぽかぽかを通り越して暑苦しいくらいだったので、今日くらいが丁度良いかも。休憩所からは、雪の為全容は確認できないが、見事に整備された庭(本業が造園業らしい)の片鱗が見て取れる。鳥や動物の為の給餌台が用意されていて、この時期だとテンが顔をのぞかせる事もあるそうだ。

 眺めも良いし、お湯も良好だが、浴槽が1つなので変わり映えがせず間が持たない点が残念。また、ちょっと客が増えると洗い場が無くなる。このあたり、あえて源泉100%にこだわった点を評価するか、広い浴槽でのんびりとしたいか、で、好みが分かれるだろう。ただ、立地も含めて多少不便でも、特色のある温泉として生き残って欲しい。


 さて、帰宅の途につきます。途中お茶でもしばいたろか(<−え、死語?)、って事で、以前仕事で通りがかって気になっていた「紙ひこうき」へ。石狩当別駅から程近い場所だが、静かな住宅地の中にひっそりとあり、間違ってもドライブ中に発見できる場所ではない。記憶を頼りに横道を覗きながら車を走らせ、やっと見覚えのあるログハウスを発見。扉を開けて入ると、まずは靴を脱ぐ様です。「自宅を改装して喫茶店始めました」って感じです。玄関から離れた窓際の席に腰掛けると、雪に埋もれた木立と少し離れた位置のログハウス風の建物がいい感じに視界を遮り、住宅地に居るとは思えない、どこかのリゾート地に来た気分。

 さて、ケーキセットみたいな物でも食べようと思って来たのだが、あてが外れました。飲み物類の他は、パスタとピザしかありません。「うーーーん、どうしましょ。晩飯にはちょっと早い(17時)かなあ、でもチーズの美味そうなにおいがするしなあ」。で結局「野口さんのじゃがいもとタラコのカルボナーラ、パスタセット」と「白ピッザ(アンチョビ・クリーム)・・・ニンニクは津川さんのです」を注文。

 ジャズ(レコードです)とマスターの鼻歌を聞きながら、しばし待つ。しばし待つ。しばし待つ・・・zzzzz。30分くらい待たされて、いい感じにお腹が空いて来た頃、やっとパスタとピザが到着です。これ、美味いです。北海道(当別)産の小麦を使った手打ちの生パスタは、これまで食べた生パスタ史上、最も美味しいかも。ピザも、もちろん地産地消。パスタソースに漬けて食べるという合わせ技で、こちらも美味しくいただきました。食後、パスタセットにはコーヒーが付き、なんと目の前でマスターがいれてくださいます。茶道でも見ている様な見事な手付きです。自家焙煎のコーヒーは適度な酸味でこれまた上々。

 マスターとしばし歓談。以前は札幌市内で開業していたが、体調を崩して以降、店を息子さんに任せて実家(隣のログハウスが自宅だったのね)に戻ってきたそうだ。当別生まれ、当別育ちだそうで、佐々木丸美さんの事を聞いてみましたが、あまりご存じありませんでした。単行本に書かれていた昔の住所を尋ねましたが「ここらもだいぶ変わっちゃってね。多分、家は残ってないんじゃないかなあ。昔は2階から出入りするほど雪が積もってね、馬橇(ばそり・うまそり)の跡で道作ったりしてたね」。佐々木丸美作品に登場する馬橇は、ご自身の体験から来ている様です。良い話が聞けました。

 仕込みから全てマスターお一人で切り盛りされているので、待たされたり、メニューにあまり幅が無かったりするのはそれなりに覚悟しなければならない。しかし、鼻歌交じりのマスターから生み出される料理には、戦場の様な厨房から繰り出される料理には無い、お客の顔が見える心配りが感じらる。靴を脱ぎ、ジャズが流れる優しい空間に入った時から、マスターのペースに合わせてくつろぎましょう。全ては美味しい料理とコーヒーの為に。


 個性的な温泉と、個性的な店。まだまだ開拓者精神が生きている様な、当別の町でした。




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